2019年 12月

2019 年度の活動方針と 2020 年度までの役員体制を決定
去る、9月1日に 第22回県連合定期大会を開催し、今年度の活動方針を決 定するとともに、向こう2年間の役員体制を決定した。
取り組みの確認を行った。参議院 選挙 において、 政党要件をかろうじてクリアしたが、依然として厳しい状況にある。社会民主主義を唱える唯一の政党としての存在感を示すためにも 、全党員の奮闘をお願いする。

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抗 議 声 明

 11月4日午前730分から志賀原発の事故を想定した石川県原子力防災訓練が実施された。東京電力福島第一原発事故後8回目となる防災訓練である。この間、私たちは再稼働前提の訓練に抗議すると同時に、福島第一原発事故の教訓を踏まえるなら最善の原子力防災は原発廃炉であると訴えてきた。地震だけでなく昨今の異常気象による複合災害、あるいは無防備と言えるテロ攻撃を想定するならば、廃炉はなおさら緊急の課題である。しかし、石川県はじめ関係自治体は今回も志賀原発の再稼働を前提とした非現実的で実効性のない訓練を実施した。強く抗議し、以下、問題点を指摘する。

 

■複合災害で破たんする原子力防災

(1)異常気象に向き合わないマンネリ化した訓練

近年、巨大台風襲来による暴風と豪雨、大洪水、高潮、大規模停電、さらに豪雪による交通網の麻痺や災害級の猛暑など「異常気象」が常態化し、相次ぐ巨大地震、大津波の脅威も含め、現代社会は巨大自然災害の危機に直面している。これらの災害に起因する原発の重大事故、あるいはこれらの災害と並行して起こる重大事故に対して原子力防災は機能するのか。原発立地地域の住民はもちろんのこと、多くの県民の不安は一段と高まっているが、複合災害訓練はここ数年の訓練同様、「地震による道路の一部寸断」を想定するのみで、広域・複合・長期化する巨大自然災害に向き合う姿勢は全く感じられない。

(2)複合災害で被ばくは深刻化

政府は2015年に防災基本計画を修正し、複合災害時には自然災害に対応する「緊急災害対策本部」と原子力災害に対応する「原子力災害対策本部」の連携体制を整えることとし、複合災害への対応について検討を重ねている。基本的には差し迫った自然災害からの人命のリスク回避が最優先となる。当然の対応だが、結果として放射能からの避難行動は二の次となる。現行の計画でも住民に被ばくを強要するが、さらなる被ばくは避けられない。巨大自然災害と原発の重大事故による複合災害時、住民避難計画は破たんする。

(3)廃炉こそ複合災害対策

地震や津波は防げない。異常気象は国際的な気候変動対策が急務だが、直面する自然災害には防災・減災対策を講じるしか術がない。一方、原子力災害は人災である。大自然の猛威にさらされ続ける中、人命へリスクを減らすためにも志賀原発の廃炉は急務である。

■くり返される再稼働前提の訓練

■再稼働路線容認の防災訓練

志賀原発直下の断層について有識者会合は全会一致で「活動層」との評価書をまとめたが、北陸電力は志賀再稼働の方針を変えず、原子力規制委員会の新規制基準適合性審査に臨んでいる。しかし、ここでも北陸電力のデータ不足が厳しく指摘され、「活断層」を否定する見通しは全く立っていない。こうした中、県は停止中のリスクが山積するにもかかわらず再稼働前提の訓練を繰り返している。北電の再稼働路線の容認、あるいは期待しているかのような県の姿勢からは、県民の安全・安心を守る決意が感じられない。

■向き合うべきは停止中の原発の危険性

停止中とはいえ、志賀原発ではむき出しの燃料プールの中に使用済核燃料が保管されている。冷却機能の維持は至上命題であり、そのための電源は欠かせない。ところが志賀原発では直下の活断層に加えて、一昨年は雨水大量流入事故、今年7月には非常用の高圧電源車の火災事故発生と、電源確保をおびやかす「あってはならない事故」が相次いでいる。特定重大事故等対処施設(いわゆるテロ対策施設)もいまだ整備されていない。サウジアラビアの石油施設へのドローン兵器による攻撃は全ての原発施設にとって他人事ではない。複雑な国際情勢下、志賀原発への攻撃を単なる空想として切り捨てることはできない。核燃料の撤去こそ必要な防災対策であり、撤去までの間は停止中の原発の重大事故を想定した訓練を実施すべきである。

■実効性のない訓練の繰り返し

■新たな安全神話をつくる「スムーズな避難」

今回の避難訓練も住民の参加はごく一部である。避難指示の伝達漏れはなく、避難指示の前に避難所で待機する人もいる。避難バスも事前に配車され、自家用の避難車両も少なく、スクリーニングポイントでの渋滞も起こらない。課題として残るヨウ素剤の配布は今回も実施されなかった。こうした中で毎回確実に実現する「スムーズな避難」は、重大事故でも避難できるという新たな安全神話をつくることになる。

■課題から逃げまくる非現実的訓練

住民へのヨウ素剤の配布、服用指示は重要な課題であるが、いまだ必要な住民への配布が可能かどうか検証はできていない。観光客など一時滞在者、特に近年増加する外国人旅行者への情報の伝達、避難、ヨウ素剤の配布等も懸念される。UPZ圏内の住民避難は、訓練ではあらかじめ風下エリアが決められているが、実際は緊急時モニタリングと連動した迅速、的確な行動が
求められる。いまだ実践的な訓練は行われていない。
防災業務従事者の被ばく対策や交代要員の確保も重要な課題である。加えて半島先端地域固有の
課題もある。この間の訓練同様、今回も取り組みやすい項目をつまみ食いするだけの訓練に
終始したと言わざるを得ない。

■繰り返して指摘する!「今こそ常識に立ち返れ」

一企業の、電気を生み出す一手段に過ぎない志賀原発のために多くの県民の命や暮らしが脅かされ、財産を奪われ、ふるさとを追われる危険に晒され続けている。このような異常な事態を放置し、さらには覆い隠すかのように防災訓練が繰り返されている。避難させるべきは住民ではなく核燃料である。北陸電力は人災である原子力災害を防止するため、直ちに志賀原発の廃炉を決定せよ。活断層上にある核燃料を速やかに撤去せよ。

志賀原発を廃炉に!訴訟原告団

社会民主党石川県連合

石川県平和運動センター

 

 

 

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